富の差が情報処理能力の差、引いては知性と人格の差にまで辿り着いたへいわな世界。
階級は上からアッパー、ミドル、アンダー、上級AI、下級AIの5つ。
人権が認められているのは上級までで、下級AIは工業製品として扱われる。
富の量としてはアッパー>ミドル>上級>
人民は必ず「人類貢献度」を毎年定量稼がねばならない。
これは通貨による取引が禁止されているため、人々は己だけの力で人類に貢献していることを示す必要がある。
貢献度の量で階級が決定し、基準値を下回った場合降格する。
下級からさらに降格してしまうと、データ領域が削除され事実上「死」に至る。
・アッパー
膨大な貢献度を納める貴族たち。
富が情報処理能力となり、それが知性と品格、貢献度の量となる。
アッパーの人々は、公平で論理的な天秤の如き性格をしていることが多い。
・ミドル
中間層。アッパーの会社に務める平社員たち。
堅実で職人肌、冒険を嫌う人がほとんどを占めている。
・アンダー
生物脳を持つ人間はアンダー以下に降格することはない。
即ち、アンダーの人間は脳が寿命を迎えたとき、死の坂道を落ちてゆく。
たいていのアンダーは感情を重んじる。理論ではどう足掻いても支配からは抜け出せないのだから。
・上級AI
特殊階級。膨大な処理能力を持つ「準人間」。
・下級AI
単なるモノ。工業製品でしかない。
一から作られる場合もあれアンダーを再利用することもある。
アンダーがここに転がり落ちた場合、初めに記憶など不要なデータをクリーンして論理構造だけを再利用する。
・社会構造
資本主義社会だが、この場合の資本とは「人的資本」を指す。
能力が高い人間こそが評価される社会。
評価基準である能力には「コミュニケーション能力」など全人的な能力も含まれており、「階級が低いということは人格もゴミ」という常識が流布している。
ある一面正しいが……残酷でもある
0コメント