例えば、未来視の女と安室さんの夢小説。
黒の組織の地下で目隠しをされたまま、牢に繋がれている女性をバーボンは発見する。
「単なる使えねぇモルモットだ」とジンは言った。
女性には未来が見える。しかもそれは変えられない未来だ。
多くの人手に渡った彼女は、巡り巡って組織に飼われているらしい。
まさか未来が見えるなんて、そんな夢物語があるだろうか。
降谷は将来的な保護も視野に入れて観察に来る。
「旭日章…警察の、偉い人?」
「っ、何を…」
「優しそうなおじ様、どうか私を助けてください。ここは死体と瓦礫で溢れているの。それなのに、誰もここに来てくれない」
上手く組織を言いくるめて女性の監視役に着いたバーボンは、女性が自分の異常性に気づいていないことを知った。
「ここは地獄よ。腐り果てた果実に、ドロドロに溶けた肉。腹から血を流す死体が私に話し掛けてくるの」
「そう、ですか」
「温かいご飯が食べたい、綺麗なベッドで寝たい……っ!」
ボロボロと涙を流す女性には、己の姿は初老の男性として写っているだと安室は知った。
未来において、組織は壊滅していて、ジンたち幹部の殆どは死亡している。
安堵と寂寥を感じながら、安室はこの女性を真に助けることなどだれにもできないと息をつく。
「変えられない未来を見つめ続ける、か」
薄幸の美女に安室さんを「おじ様」って呼んで欲しかっただけです…( ˇωˇ )
たぶん、「おじ様も死んでしまったの…?」って震える声で言われて「ああ、俺も死ぬのか」とぼんやり思う安室さん。
愛と奇跡とコナン君が未来を変えても美味しいネ。
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