スコッチの献身と数億回のやり直し

スコッチ成り代わり主が降谷零に知られざる献身を行う話。


 組織壊滅後の平和な時間軸、まだまだ誤解が解けたとはいえ赤井と安室の仲は険悪なまま。

ある日、スコッチの墓前にて当時の話を安室さんから聞いていたコナンくんは、不意に俯いて黙り込んだ。

 「……その話、何か変だよ」


赤井さんからも当時の話を聞いていたコナン君は、スコッチの行動言動に矛盾があることに気がついた。

 安室はそれを聞いて、今までずっと目を背けて来た当時の情報を集めなおし始めた。

①スパイ発覚を事前に知っていたかのようなスコッチの発言 

②安室を態と現場から遠ざけるような行動 

③意味深な態度


ボロボロと出てくる矛盾した痕跡。

事件を探るうち、緋色組は当時のスコッチのセーフティハウスから一通の古びた手紙を発見する。

手紙は少なく見積もっても書かれてから100年は経っているのに、筆跡は間違いなくスコッチ本人のもの。

 “──零、俺はお前に謝らなきゃならないことがあるんだ” 


スコッチは転生者であった。

原作知識を持ち、己の未来を知っていた。

だからより良い未来を作ろうと奔走したし、それによって大団円に近い結果も得ることもできた。 


しかし原作終了の1年後。

降谷零は組織の残党によって呆気なく命を喪う。

「やり直す」能力を持っていたスコッチは、そのとき初めて己の力を行使した。

何度繰り返しても降谷は死んでしまう。

それは己が物語を変えてしまったからだと嘆き、後悔し、懺悔した。

絶対に親友の命は諦めない。

その一心で幾億の「やり直し」は始まった。  


これは、永劫の時をかけて原作へと至る後悔と献身の話。

赤井と安室があの日あの時の真実に至る、ちょっとした回想である。

一望監視施設☆パノプティコン

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