一護主にて純黒の悪夢

一護主にて純黒の悪夢。

 ジンが裏切り者であるバーボンとキールを始末しようと銃口を向ける。縛られたバーボンに為す術などない。焦り、窮地の一拍。 バーボンを狙った銃弾は、しかし肉を抉る前に切り落とされた。「…やりゃ出来るもんだなぁ銃弾切り。ってまあ、虚弾より遅いんなら当たり前か」

「君は、何故こんな、どこから…っ!?」安室が焦って縛られた体を捻じるが一護の反応は実に淡白だ。 「引き継ぎ資料も残さず死ぬとかヒトの迷惑考えろよ。アンタの新メニュー、楽しみにしてるお客さん多いんだろ」 「そんな、……ふざけている場合か!奴の手にある銃はオモチャじゃないんだぞ!」

テメェは…、何だ?と動物的な直感でもってジンが問うだろう。 「は、テメーの敵以外の何に見えるってんだ?目玉に異常があるなら廃倉庫より先に行くべき場所があるんじゃねーの」 「……いい度胸だ、ガキ」 激昂したように乱暴に銃口を向けるジンだが、その本能は己に迫る絶対的危機を嗅ぎとっていた

「へぇ…随分とチャチい本物もあったもんだ」「クソ、この手錠さえ…いいから逃げろ!不良ぶってる程度の一般人が入ってきていい領域じゃないんだ!」 がむしゃらに暴れる安室を他所に一護は口元だけを吊り上げる。ジンは一言も発しない。 「あ、アニキ…?」「……ずらかるぞ。早く、一刻も早くだ!」

「鈍ィ」 瞬きの間もなかっただろう。鋼鉄製のシャッターが時を思い出したように崩れ落ちた。切り口は鋭い。一護の手元で時代錯誤のチャンバラ道具が光を受ける 「地獄ってのも意外といい所だ。絶望と諦観、数えるのも億劫なクシャナーダの群れに満ちてる。…せっかくだ。俺が直々に案内してやるよ」

安室はその時、己の魂の軋む音を聞いた。 存在感、重圧、殺気。どんな言葉を用いたとして、この脳の奥底が擦り切れそうな圧迫感を説明することは出来ないだろう。 尸魂界の住人であれば直ぐにでもその現象を看破しただろう。 

──それが、ただ瀑布の如き霊圧の奔流なのだと。

一望監視施設☆パノプティコン

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