もし探索者主の続きを書くなら、矢吹が下級AIを「人間」と考えたからこそ起こる第2のすれ違いがテーマかな。
ある日コナンは、犯行を目撃したせいで犯人に誘拐されてしまう。
手脚を縛られ部屋に放り込まれ、万事休すかという時。
「よっ、少年。相変わらずファンキーな導入だなぁ」
と虚空から声がした。
座標指定で現れた矢吹が気軽な調子でコナンを助け、怖そうな大学院生が心配してたぞと苦言を呈した。
何となく緩い空気で雑談するが、ふとコナンは「そういえば犯人はどうしたの?」と矢吹に聞く。
「あぁ、彼なら『直して』おいたよ。人間には不適切なアルゴリズムだったし、ちょうど良かったかな」
「……え、?」
「うーん、やっぱこの環境は人間が暮らすには酷すぎるよなぁ。下級AIだから今まで気にしてなかったけど、ここの人達は感情のアルゴリズムが劣悪過ぎる。これじゃ本人も苦しいだけだ。マインドクリーンすら無料で受けられないとか、犯罪に手を染めるのも仕方ないってもんだ」
次なるテーマは「思考と意思は操作可能なモノか?」。
感情を組み直し思考をクリーンアップすることが普通の未来世界において、犯罪とは病気に過ぎない。
病気ならば治療が必要だ。
下級AIを人間だと思っているからこそ人々の思考を「健康」に保ち治療を施したい矢吹と、精神の自由を信じるコナン君。
布石としてロールバックを受けた安室さんがいたり。
狂気は現代でこそロスト扱いだけど、未来世界では単なる風邪に過ぎない。
狂気?なら治せばいいじゃない。
クトゥルフ神話の核たる「自分の精神が侵食される」という恐怖を実は理解できてない探索者主。
コナンは果たして管理社会の神を止められるか!
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